日本の鉄鋼業は早くから石油系エネルギーの削減、廃熱回収、操業技術改善などに取り組み、世界最高水準の省エネル ギー生産体制を確立して地球温暖化対策に貢献してきました。こうした活動のガイドラインとなったのは社団法人日本鉄鋼 連盟が中心となりまとめた自主行動計画で、当社はこれに沿った設備や操業の改善、技術の開発を推し進めて着実に成果 を上げています。
● 省エネルギー対策への重点 投資
当社は、
1995
年度から2010
年度まで の15
年間で、累計95.3
億円を省エネル ギー対策(CO
2削減)に投入しています。この投資は、主にリジェネバーナー(燃焼 排ガス熱回収バーナー)の導入や燃料転 換に充当され、加熱炉や均熱炉における 廃熱回収を推し進めるとともに
CO
2削減 に効果を上げるなど、地球温暖化防止に 貢献しています。● 二酸化炭素( CO
2)排出量と原単位削減への 取り組み
当社は、
2008
年度から2012
年度までの5
年間で、CO
2の平 均排出量10%
(1990
年度実績比)削減を目標としています。2006
年度にはCO
2削減のための特別プロジェクトを立ち上げ、二酸化炭素(
CO
2)排出量と原単位の推移廃熱回収の強化、燃料転換の推進などの施策に着手しました。
2009
年までに実施した施策により、2010
年度排出量は1990
年度比でマイナス20%
と、大幅に減少しました。(千トン-CO2/年) (kg-CO2/生産量)
99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 08 –12
目標 98
97 96 90
800
600
400
200
0 0
500 1,000 1,500 2,000
CO2排出量 CO2原単位 714
1,404
1,291 706
1,314 690
1,041 919
10 1,125 733 748
702
1,264 675
*電力のCO2排出係数:0.374kg-CO2/kWh
–6
%–26
%–10
% CO2排出量 累計投資額
CO2
原単位
省エネルギー対策累計投資額(
1995
年以降)(億円)
(年度)
(年度)
–8
%–35
%–20
%98 99 00 01 02 03 04 05 07 08 09 10 96 97
95 100
75
50
25
0 06
R E S P O N S I B I L I T Y F O R E N V I R O N M E N T
環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
運輸面での CO
2排出削減
地球温暖化対策として、運輸部門の
CO
2削減も課題になっています。重工業には重量物の運輸が不可分なので、当社は サプライチェーンと協力してモーダルシフト、それをサポートする施設の改善、また、CO
2削減に寄与する物流効率化を推 進して、環境への貢献に努力を注いでいます。●モーダルシフト
当社の運輸面での
CO
2排出原単位は、2003
年度対比3.1%
減少しています。これは当社が進めてきたモーダルシフト
*
の成 果です。CO
2排出原単位はトラックを使用した場合に対し船舶で は78%
、鉄道では87%
も削減され、モーダルシフトがきわめて 有効であることを裏づけています。現在では自社製品輸送の
30%
を効率の高い船舶輸送で出荷 しており、雨天でも船舶による鋼材出荷ができるよう全天候バー スを建造するなど物流施設の改善も行っています。また陸上輸 送も鉄道へのシフトを積極的に推進し、2003
年に名古屋地区の 工場から新潟県の倉庫向け鋼材輸送(1.5
万t
/年)を、2006
年 には同工場から秋田地区向け(1
万t
/年)および新潟地区向け(
2.2
万t
/年)をトレーラーから鉄道に全面転換しました。今後もトラック輸送から船舶・鉄道へのモーダルシフトをより 積極的に推進していきます。
* 自動車や航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替すること。省エネ効果、CO2
排出削減効果などがある。
運輸部門の
CO
2排出量と原単位輸送機関別の
CO
2排出量比較鉄道による輸送
(t)
(g-CO2/トンキロ)
(kg-CO2/トンキロ)
CO2
排出量
CO2
排出原単位
–78
%–87
%(年度)
CO2排出原単位 CO2排出量
●エコドライブの実施
トラック輸送では、右記のようなきめ細かなエコドライブを徹 底し、人と環境に優しい安全・低エミッション運転を徹底させるよ う努めています。
列車・トラックに共有可能な鋼材専用トレーナー
エコドライブ
1.
スピードの抑制:100km
/h
→80km
/h
で20%
燃費削減2.
急発進・加速をしない:20%
以上の燃費削減3.
エンジンブレーキやエキゾーストブレーキを使用した惰力 走行の推奨:燃料消費を抑える4.
早めのシフトアップ・遅めのシフトダウン:15%
の燃費削減5.
加速・減速の繰り返しを控える:燃費削減6.
タイヤ空気圧のこまめな点検:規定値より20%
低いと8%
燃費悪化7.
アイドリングストップ09 10 07 08
06 05 04
122.5 121.4 120.1 100,000
80,000 60,000 40,000 20,000 0
150 120 90 60 30 0 59,655 59,938 59,032 59,724
48,660 37,915
45,834 117.6 118.4 118.1 118.0
佽俢 ラ
23 200
160 120 80 40 0
175
39
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
各工場での取り組み
当社では各工場単位でも環境負荷低減への取り組みを行っています。工場における主な活動は以下のとおりです。
●渋川工場
【燃料転換】
当社では
SOx
やNOx
の低減を図るた め、1995
年に川崎工場で重油を廃止し て以降、重油から天然ガスを主成分とし た都市ガスへの燃料転換を進めてきまし た。現在は、省エネ技術と組み合せ、よ り高いCO
2排出量削減効果を得るため に、燃料転換を加速しています。2006
年には星崎工場においても重油 を廃止、知多工場においては2009
年に 重 油 使 用 比 を2004
年 実 績45%
から21%
にまで低減し、CO
2排出量を8%
削 減しました。また、これまで都市ガスが未導入で あった渋川工場においても
2010
年度に 製鋼工場の、2011
年度末までには鍛造 工場重油炉の都市ガス化を計画してお り、2012
年度以降の渋川工場における 重油使用を全廃止することで、CO
2排出 量6%
以上の削減を図っていきます。【廃熱回収強化】
製鋼工程での燃料使用設備には、取鍋
(とりなべ=溶鋼を運搬する容器)を予熱す るバーナーおよび真空処理で使用する蒸 気を発生させるボイラー設備があります。
今回、
2010
年度の製鋼工場の都市ガ ス化とともに、取鍋予熱装置1
基およびボ イラーを廃熱回収式に改造することで2009
年度対比2010
年度で製鋼工場に おけるCO
2排出量を16%
削減しました。今後も
2011
年度末に都市ガス化を実 施する鍛造工場において、大型加熱炉1
基をリジェネバーナー方式に改造するこ とで更なるCO
2排出量削減を推進してい きます。渋川工場の都市ガス化に伴う
CO
2排出削減計画CO2排出削減量(t-CO2/月)
(年/月)
製鋼工場都市ガス化に伴う
CO2排出削減量(2011年1月実施) 渋川工場において6.3%の CO2排出量削減を実施
リジェネ式取鍋予熱装置
12/3 12/2 12/1 11/12 11/11 11/10 11/9 11/8 11/4〜7 1,500
1,000
500
0
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策
●知多工場
【燃焼最適による CO
2削減】
当社では加熱炉や熱処理炉を対象に さまざまなデータを計測し、定量的に熱 ロスなどを把握する「燃焼診断」活動を 全社的に推進してきました。またこの活 動を即 効 性 の あるも のとするため、
2009
年度より各炉バーナーの「燃焼調 整」と燃焼系統の「設備保全」について重 点的に取り組んでいます。現在、活動対 象とした67
基の燃焼調整作業を終え、作 業内容のマニュアル化を進めています。燃焼調整の事例:知多工場
CF31
号炉 加熱帯バーナー(49
本)の燃焼調整 を実施し、燃焼効率の高くなる排ガス中 酸素濃度1
~4%
(空気比1.05
~1.25
) の範囲に調節しました。その結果、燃料 原単位2.1%
向上(=CO
2削減)が成さ れました。また、同時に調整作業のマ ニュアル化を通じた技能伝承により、炉 を適切な燃焼状態に保つよう努めてい きます。●知多型鍛造工場
【検査場の LED 照明導入】
型鍛造製品は、形状の複雑さから自動 検査のみならず、検査員による測定・目視 により細心の注意を払い検査が行われて います。
また、複雑な形状ゆえ、検査場の照度 の確保(日中においても、太陽光を排し、
照明をつけて検査)とチラつきなどのない 照明設備が必要です。
そこで知多型鍛造工場では
LED
照明に 着目し、検査場に導入しました。それによ り、検査場照明は蛍光灯40W
×144
灯か らLED
照明27W
×144
灯となり、年間で は10,800kWh
の電力削減となりました。また、チラつきについても蛍光灯から
LED
へ換えたことにより、検査員からは「目の 疲れが少なくなった」と好評です。検査場に導入したLED照明 (年間10,800kWhの電力削減) CF31号炉
型鍛造製品の検査場
調整前 調整後
バーナー本数 バーナー本数
空気不足〜1% 〜1%
1〜4% 空気不足
適正空気比 1〜4%
適正空気比
空気過剰>4% >4%
空気過剰 25
20 15 10 5 0
50 40 30 20 10 0
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環境負荷低減への取り組み地球温暖化対策